森林資源を使い尽くすことを目的に開発

Syncraft®の熱電併給システムは使用する燃料についてはフレキシブルであり、バーク(皮)付きのウッドチップを主燃料としとり、枝や葉の混入も問題ありません。つまり、1本の木を丸ごと燃料として使うことができます。木質バイオマスを使う熱電併給システムの多くは、ペレットやホワイトチップ(バークなし)を燃料としており、加工・選別・廃棄といった追加コストが発生していました。Syncraft®の熱電併給システムは交流式の「浮遊固定層ガス化」技術を使うことで、これまで異物として考えられていたバークや枝葉も燃料として使うことができ、かつ発電効率30%の高い効率性をも実現しました。

CHPシステムの全体像

フォレストエナジーは固定価格買い取り制度やウッドチップの調達環境などを考慮した結果、Syncraft®の400kWの熱電併給システムを主力商品として考えています。年間約4,000㌧の燃料が必要となります(含水率50%)。また、丸太を乾燥させることなく破砕した「生チップ」を燃料として受け入れることを想定して2つの乾燥器付ピットを設置すること、運転負担を軽減するために週1回の燃料投入で運転できるウォーキングフロア式フィーダーを付けることを基本パッケージにしています。全体で約1,000㎡で収まりまっす。このパッケージを最大で4セット連結することで、400kW、800kW、1,200kW、1,600kWの発電出力ができます。

SyncraftのCHPシステムの仕組み

浮遊固定層技術(Floating Fixed-bed)は、Syncraft®が独自に開発した画期的な技術です。従来の固定層ガス化炉では、重力とガスの流れの両方が上から下へと向かうので、粒子(熱分解後の燃料、木炭)が密集しがちですが、Syncraft®の浮遊固定層ガス化炉では、重力とガスの流れは互いに反発しあいます。この仕組みにより、投入したウッドチップのサイズや成分に関係なく、木炭層に適度な隙間を作ります。また、不純物やスラグは浮遊固定層ガス化炉の炉底に集まり、簡単に除去することができるため、メンテナンスも楽にできます。

稼働しているプラント

Syncraft®の熱電併給システムは現在オーストリアとイタリアで5つ稼働しています。

インスブルック市(オーストリア)

インスブルック市(オーストリア)

インスブルック市が運営するSyncraft®の熱電併給システムは2017年に商業運転を開始しました。
出力:電気261kWと熱601kW
建設期間:8ヶ月
システム:熱電併給システム、ウォーキングフロア式フィーダー、乾燥ピット、乾燥用の低温排熱利用器

技術情報

機種

CraftWerk 1200-400

発電出力

400kWel

熱回収量(高温)

615kWth

熱回収量(低温+高温)

920kWth

熱源システム

約95℃。高温200℃、低温80℃に分離可能

燃料投入量

267kg/h
含水率50%で年間約4,000㌧

燃料要件

3~5㎝、細粒物やバークの混入可

ガスエンジン

独2G社製

ガス化+ガスエンジンの設置スペース

約175㎡

燃料供給スペース(1週間分)

278㎥