津和野フォレストエナジー(島根県津和野町)

津和野バイオマスは、津和野地域から集材した年間約6,500 トンの原木を、津和野町が新たに建設中のチップ工場(地元業者が運営予定)で加工して、480kW の電気(約1,000 世帯分)を供給します。発電設備は、当社が提携するフィンランドVolter Oy製の熱電併給設備「Volter 40 Indoor」を12 台設置します。Volter40 は国内で30台導入していますが、1箇所に12 台導入するのは国内外でも初めての事例になります。

本設備はコージェネレーション型(CHP)であり、約1,200kW の熱(温水)は主にウッドチップの乾燥に使います。乾燥機は温水を熱源とする英国WoodTek Engineering 製のEco T4 Plus を使うことで、ウッドチップの含水率を用途に合わせて自動的に乾燥できることから、自社利用に加え近隣のチップボイラー等にも供給を予定しています。

プラントデータ
  • 運営会社:津和野フォレストエナジー合同会社
  • 発電規模:480kW
  • 熱供給: 1,200kW
  • 燃料:  未利用木材(国内間伐材等)=約6,500㌧/年
  • 設備:  Volter 40を12台(CHP)、WoodTek T4Plus(チップ乾燥機)
  • 運転開始:2022年8月
  • 出資者: フォレストエナジー㈱
  • 融資形態:プロジェクトファイナンスによるシンジケートローン
  • 融資シンジケート団:㈱商工中金(アレンジャー兼エージェント)、㈱山陰合同銀行、日本海信用金庫
住所・アクセス
関係者コメント
津和野フォレストエナジー様がこの度、津和野町で木質バイオマスガス化発電事業を始め られることになり、本町の面積の約90%を占める森林の活用と、脱炭素社会への本町としての役割を果たす一翼を担って頂くことと、歓迎しております。本町としても付帯施設である原木・チップヤード等を建設中であり、原料の供給等、津和野フォレストエナジー様と連携した取り組みを今後も進めてまいります。

新宮フォレストエナジー(和歌山県新宮市)

新宮プラントは、紀南地域から原木を集材、自社工場でウッドチップに加工・乾燥して、電気と熱(温水)を供給します(コージェネレーション、以下「コジェネ」)。チップ工場と乾燥機を併設することで、燃料供給元で加工・乾燥工程を負担することなく、間伐材・低質材の流通量を増やすことができるため、地域の素材生産会社及び林業者の事業拡大を通じた森林整備の促進に役立つものと考えます。

今後は、超小型コジェネ設備Volter 40の紀南地域での販売も開始します。Volter 40はグリーンハウスや工場など熱需要地の近くに設置することを想定した40kWの電気と100kWの熱を供給する超小型設備であり、地域における木質バイオマスによる熱利用をさらに促進するものです。新宮プラントから乾燥ウッドチップの供給や設備のメンテナンスサービスを提供することで、地域資源循環型エネルギーシステムの構築を進めていきます。

プラントデータ
  • 運営会社:新宮フォレストエナジー合同会社
  • 発電規模:1,764kW
  • 熱供給: 約3,800kW
  • 燃料:  未利用木材(国内間伐材等)=約20,000㌧/年
  • 設備:  Syncraft Engineering製のCHP4台(浮遊固定層ガス化)、Jenbacher製のガスエンジン4台
  • 発電効率:29%(総合エネルギー効率:約85%)
  • 運転開始:2021年
  • 事業規模:約30億円
  • 出資者: フォレストエナジー㈱、㈱NTTファシリティーズ、㈱モリショウ、TJグループホールディングス㈱、前田商行㈱
  • 融資形態:プロジェクトファイナンスによるシンジケートローン
  • 融資シンジケート団:㈱紀陽銀行(アレンジャー兼エージェント)、㈱第三銀行、㈱百五銀行
  • トランザクション・カウンセル:ベーカー&マッケンジー法律事務所
関係者コメント
私たちNTTファシリティーズは、NTTグループの省エネルギー対策や建物設備のリスクマネジメントを行うことで、日本の情報通信を支えて参りました。そこで培ったICT・エネルギー・建築の融合技術を最大限に活用して、再生可能エネルギーの普及拡大や省エネルギーの推進、災害対策を中心とした事業継続計画の策定・実行、地産地消エネルギーネットワークづくりに取り組んでおります。世界的な潮流となっている脱炭素化に取り組む企業や持続可能な街づくりを目指す自治体等の最良のパートナーであり続けるため、これまで太陽光発電を中心に取り組んできた再生可能エネルギー事業の領域を拡張させるとともに、環境と経済を両立させた街づくりをより一層加速させるため、今回の新宮プラントへの参画を決定致しました。新宮プラントに関連する企業や地域の皆様と協力しながら、地域にも地球にもやさしい再生可能エネルギー事業を実現することで、私たちの使命である「Smart & Safety で持続可能な社会の実現に貢献」を果たせるよう挑戦していきます。
私たちモリショウグループは、大分県日田市で木質廃棄物処理事業、リサイクル機械販売事業、木質バイオマス燃料製造事業、バイオマスチップ流通事業、木質バイオマス発電事業、小売電気事業を行っております。バイオマス発電事業においては、西日本エリア第1号機として2013年11月より発電を行っております。グループ各社で原料安定収集から木材加工設備・搬送設備の設計・販売、発電所運営、電力の供給という一連を担うことが、森林の健全な再生、育成と木質資源のさらなる有効活用に繋がると信じております。今回、同じ環境事業に取り組む新宮プラントに参画させて頂くことで、木質資源の有効利用の輪がさらに広がっていくことを期待しております。「未来に挑戦し続ける」、これは当グループの理念です。そのためにも同じ志を持つ仲間を応援することは、木質資源の有効利用を目指す企業として不可欠であると考えております。今後もモリショウグループは、木質資源の新たな価値を創造する企業として未来に挑戦し続けます。
私たちTJグループは「資源をつなぐ。価値をつくる。」という企業理念のもと、木質バイオマスの資源化を行う都市樹木再生センター(木質廃棄物処理業)、木質バイオマス発電を行うBPS大東(木質バイオマス発電事業)、電力を地域の皆さまにお届けするグリーンパワー大東(小売電気事業)のグループ各社がバトンをつないで「木質資源の地産地消」に取り組んでおります。この度、新宮プラントに参画させて頂くことは、当グループの理念と合致し、今後関西からバイオマス発電ならびに再生可能エネルギーの必要性を発信する大変有意義な機会になると考えております。この参画を通じて「資源に変える」、「電気に替える」、「地域に還る」という地産地消の取り組みをさらに広げ、そして人と人をつなぐ企業として、TJグループはこれからも木質資源の価値向上を目指して参ります。
前田商行は、和歌山県、三重県、奈良県を拠点に良質な熊野材を供給しつつ、持続可能な森林を作り続けている林業会社です。思い返せば15年前の2004年に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助金を活用し、木材価格の底値安定を目的に、新宮/熊野川流域木質系バイオマス利活用事業化検討委員会の代表理事として、当地への木質バイオマス発電所の誘致を検討したことがありました。当時はまだ再生可能エネルギーの固定価格買取制度導入前であり、発電+熱利用前提でしか事業性が見出せず、誘致する発電所はガス化方式を想定していたのですが、時を隔てて今、本当にガス化発電所が新宮にやってくることに感慨深いものを感じます。当社は今後とも先進的な林業機械の導入など効率的な林業経営を心掛けると共に、当社が新宮プラントの運営に林業者目線で関与することで、発電所にとっても、紀南地域の林業者にとっても、良い事業になることを期待しております。
木の持つエネルギーの大半は熱です。地域の森林資源をエネルギーとして最大限有効活用するため、樹皮(バーク)を含む1本の木を丸ごと燃料として使え、熱供給ができる熱電併給システムを新宮プラントに導入します。また、紀南地域全体での森林資源を使った熱利用を促進するため、施設園芸や養殖場などの熱需要先の近くに設置できる超小型設備VOLTER 40も並行して展開します。これら活動を通じて、地域の森林資源を中心とした地域内経済を大きくします。フォレストエナジーは、エネルギーのプロであるNTTファシリティーズ、木質バイオマス発電のプロであるモリショウとTJグループ及び林業のプロである地元大手の前田商行と力を合わせて、紀南地域に適した分散型熱電併給システムを構築します。フォレストエナジーは、木質バイオマス発電所の企画開発、資金調達から発電所の運営まで手掛ける事業会社です。小規模でも効率の高い優れたガス化技術を有するスウェーデンのCortus Energy AB、オーストリアのSyncraft及びフィンランドのVolterと提携しており、大規模な発電設備の設置が困難な地域においても需要に応じた事業展開が可能な体制を整えています。地域密着・地産地消型の事業モデルを構築し、当社の企業理念「木のエネルギー利用を通じて、地域の血行を良くする」を日本各地で実現します。

ユナイテッドリニューアブルエナジー(秋田県秋田市)

プラントデータ
  • 発電規模:20.5MWel
  • 設備:  CFB(循環流動層ボイラー)、住友重機械工業製
  • 運転開始:2016年7月
  • 事業規模:約125億円
  • 燃料:  国内木材=約11万t/年、PKS=約5万t/年

宮崎森林発電所(宮崎県児湯郡川南町)

プラントデータ
  • 発電規模:5.75MWel
  • 設備:  CFB(循環流動層ボイラー)、住友重機械工業製
  • 運転開始:2015年4月
  • 事業規模:約35億円
  • 燃料:  国内木材=約7万t/年
住所・アクセス
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