バイオ炭

バイオ炭(biochar、バイオチャー)は、木材チップ、植物残渣、糞尿、その他の農業廃棄物などのバイオマス由来の炭のことです。IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change、気候変動に関する政府間パネル)においては、バイオチャーはバイオマスを350℃以上の温度で酸素を制御した条件下で熱分解またはガス化(pyrolysis or gasification)して生成される固体物質と定義されます。バイオ炭は最大90%の高い炭素含有量を有し、炭素を確実かつ長期(100年単位)にわたって結合しますので、炭素を固定するネガティブエミッションの一つとして注目されています。

バイオ炭を土壌改良材として活用する事で、バイオ炭に含まれる難分解性の炭素を長期間固定する事によるCO2削減効果(カーボンマイナス)は、国のJ―クレジット制度の対象として認められています(バイオ炭の農地施用方法論)。

フォレストエナジーは、新たな炭素貯留手段としてバイオ炭の土木や建築利用に着目しています。例えば、道路の舗装に使うアスファルト合材の国内生産量は年4,000万程度であり、その際に排出されるCO2は年100万トンと推定されています。アスファルトやコンクリートなど社会インフラの整備に欠かせない素材のCO2削減は、脱炭素化社会の実現に大きな効果があります。そこでバイオ炭を配合した環境にやさしい建設資材を、それぞれ「グリーンアスファルト」、「グリーンコンクリート」と称し、パートナー企業各社とともに商用化を目指して開発に取組んでおります。

EBC認証

2023年、和歌山県新宮市で稼働中の木質バイオマス発電所「新宮フォレストエナジー」で発電の副産物として生産したバイオ炭は、スイスの国際機関Carbon Standard*1より、日本で初めてEuropean Biochar Certificate (EBC) Basic Materials*2の品質認証を受けました。

新宮フォレストエナジーのバイオ炭は、紀南地域の未利用木材を原料とし、ガス化発電の副産物として生産されます。当社が提携するオーストリアSyncraft Engineering GmbH(Syncraft)製ガス化設備から産出されるバイオ炭の炭素含有率はドライベースで約90%あり、新宮での年間生産量は約1,500トンになります。欧州で稼働しているSyncraftの設備を使用した発電所から生産されるバイオ炭は、既に多くがEBCの認証を取得しており、土壌改良材やグリーンアスファルトの利用によって削減したCO2は、Carbonfutureを通じてカーボンクレジット化されています。

プレスリリース資料:2023年2月23日「EBC認証取得」