2021年7月13日
フォレストエナジー株式会社
島根県津和野町における国内バイオマス100%利用のバイオマス発電事業について
当社は、島根県津和野町における木質バイオマス発電事業(発電容量480kW、事業主体は津和野フォレストエナジー、以下「津和野バイオマス」)の建設工事に着手しました。本事業の資金調達については、7月5日付けで、商工組合中央金庫(商工中金)がアレンジャーを務め、山陰合同銀行、日本海信用金庫が参加したシンジケートローン契約を締結致しました。津和野バイオマスは2022年6月の稼動に向け新たな一歩を踏み出します。
津和野バイオマスは、津和野地域から集材した年間約6,500トンの原木を、津和野町が新たに建設中のチップ工場(地元業者が運営予定)で加工して、480kWの電気(約1,000世帯分)を中国電力ネットワーク株式会社に供給します。発電設備は、当社が提携するフィンランドVolter Oy(以下「Volter」)製の熱電併給設備「Volter 40 Indoor」を12台設置します。Volter 40は国内で29台導入していますが、1箇所に12台導入するのは国内外でも初めての事例になります。
本設備はコージェネレーション型であり、(以下「コジェネ」)、約1,200kWの熱(温水)は主にウッドチップの乾燥に使います。乾燥機は温水を熱源とする英国WoodTek Engineering製のEco T4 Plusを使うことで、ウッドチップの含水率を用途に合わせて自動的に乾燥できることから、自社利用に加え近隣のチップボイラー等にも供給を予定しています。
津和野バイオマスではチップ工場と乾燥機を併設することで、燃料供給元で加工・乾燥工程を負担することなく、間伐材・低質材の流通量を増やすことができるため、地域の素材生産会社及び林業者の事業拡大を通じた森林整備の促進に役立つものと考えます。このような、国内のバイオマス資源を100%使用したバイオマス発電所の普及を通じて、地域で未利用になっている木質資源に適切な価値をつけることで地域経済の活性化を図ると同時に森林の健全な再生・成長を支援してまいります。
2022年の商業運転開始後は津和野地域におけるVolter40やチップボイラーの増設に取り組み、地域における木質バイオマスによる熱利用をさらに促進する考えです。また、副産物であるバイオ炭の利用を促進することで、地域資源循環型エネルギーシステムの構築を進めていきます。
<津和野町長 下森博之様のコメント>
津和野フォレストエナジー様がこの度、津和野町で木質バイオマスガス化発電事業を始められることになり、本町の面積の約90%を占める森林の活用と、脱炭素社会への本町としての役割を果たす一翼を担って頂くことと、歓迎しております。本町としても付帯施設である原木・チップヤード等を建設中であり、原料の供給等、津和野フォレストエナジー様と連携した取り組みを今後も進めてまいります。
発電会社 | 津和野フォレストエナジー合同会社 |
建設地 | 島根県津和野町枕瀬 |
出力規模 | 電気:480kW、熱:1,200kW |
想定年間発電量 | 約374万kWh(一般家庭約1,000世帯の年間使用電力量に相当) |
燃料 | 近隣地域の木材由来のウッドチップ、年間約6,500トン |
商業運転開始 | 2022年6月(予定) |
融資参加行 | 株式会社 商工組合中央金庫(アレンジャー) 株式会社 山陰合同銀行 日本海信用金庫 |
出資者 | フォレストエナジー株式会社 100% |
以上
【本件に関するお問い合わせ先】
広報担当 Email:info@forestenergy.jp