亜寒帯地域における早生樹の多品種の開拓による”エネルギーの森”実証事業の開始について

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2023年12月20日

亜寒帯地域における早生樹の多品種の開拓による”エネルギーの森”実証事業の開始について

株式会社柴田産業(代表取締役:柴田 君也、以下柴田産業)、国立大学法人岩手大学(学長:小川 智、以下岩手大学)、フォレストエナジー株式会社(代表取締役:沼 真吾、以下フォレストエナジー)、株式会社NTTアーバンソリューションズ総合研究所(代表取締役:阿部 聡、以下NTTアーバンソリューションズ総合研究所)は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の実証事業※1として採択された亜寒帯地域における早生樹の多品種の開拓による”エネルギーの森”実証事業」(以下本事業)を開始しました。

1.背景と目的

燃料となる木質チップの生産は製材の端材や間伐材を利用したものが多く、現状でも安定供給の観点で難しい状況にあります。今後も脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーの導入が次々と計画されており、木質チップの需要が高まる可能性を考慮すると、短期的なサイクルで安定的に原料を供給する体制が必要となります。

本事業では、製材用生産に紐づくカスケード利用の副産物としての燃料用チップ製造ではなく、バイオマス燃料に適した早生樹(エネルギー資源作物)を栽培し、計画的かつ安定した燃料用チップが供給できる「エネルギーの森」の事業化に向けた生産システムの実証を行っていきます。

2.実証内容

本事業では、亜寒帯地域において以下の検証・開発を実施します。

  • バイオマス燃料として最適な早生樹の選定と立地・栽培条件の検証
  • 早生樹の大量生産に向けた苗の栽培技術の開発
  • バイオマス燃料向け伐採・収穫の高効率収穫システムの開発

3.実証場所

岩手県内(盛岡市、一戸町等)

4.各組織の役割

本事業では柴田産業、岩手大学、フォレストエナジーおよびNTTアーバンソリューションズ総合研究所が協同し、それぞれがもつ知見や実績を活かし実証を行います。また、外部指導・連携先として、国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所等にもご参加いただいております。

  • 柴田産業(本事業の代表企業):「エネルギーの森」の事業化に向けた生産システムの検討
  • 岩手大学:土壌改良、施肥設計、成長評価、収穫システム等の検討
  • フォレストエナジー:バイオマス燃料としての性能評価、栽培支援等
  • NTTアーバンソリューションズ総合研究所:生育分析、事業性評価等の検討

5.今後の展開

本事業により、地域特性に応じた「エネルギーの森」の事業化を実現することで、早生樹によるエネルギー面での地産地消や地域資源循環の実現を図るとともに、新産業創出による地域活性化や脱炭素社会の実現にも貢献していきます。


※1 木質バイオマス燃料等の安定的・効率的な供給・利用システム構築支援事業/新たな燃料ポテンシャル(早生樹等)を開拓・利用可能とする”エネルギーの森”実証事業