フォレストエナジー株式会社(本社:東京都墨田区、代表取締役社長:沼 真吾、以下「フォレストエナジー」)は、このたび、Syncraft Engineering GmbH(本社:Schwaz市 Austria、CEO:Marcel Huber、以下「Syncraft」)と木質バイオマス(ウッドチップ)を燃料とする300~1,600kWの熱電併給システムの日本での販売や導入促進を共同で取り組むことについて合意しましたので、お知らせします。
写真右:Marcel Huber、Syncraft CEO
写真左:沼 真吾、フォレストエナジー 代表取締役社長
フォレストエナジーは国内のウッドチップを主燃料とする木質バイオマス発電所の開発、投資、運営を手掛ける会社で、これまで宮崎県で5MW、秋田県で20MWの発電所の事業化に関わってきました。2016年にはスウェーデンのCortus Energy AB(本社:Kista市Sweden、CEO:Rolf Ljunggren、以下「Cortus」)と2,000kWのバイオマスCHP事業において事業提携しており、日本仕様のCHPシステムを共同で開発しました。2,000kWのプロジェクトを開発する中で、さらに小型のシステムを望む自治体や林業関係者の声が多かったことから、Syncraftの製品をラインアップに加え、300kW~2,000kWまでを当社一社でカバーする体制を整えました。
Syncraftは木質バイオマスの熱電併給システム(以下「CHP」、Combined Heat and Power)を開発、特許技術を保有するエンジニアリング会社です。技術的な特徴はガス化炉の構造にあり、浮遊固定層ガス化炉(Floating fixed-bed)により、効率的かつクリーンなガスを木から生成して電気と熱エネルギーを生産します。発電出力が300kWと400kWのCHPガス化システムを販売しており、オーストリアとイタリアにて5か所の稼働実績があります。発電効率は約30%、400kWの機種で年間約4,000㌧のウッドチップを必要とします。
これまでの木質バイオマス発電事業の経験を踏まえ、フォレストエナジーは3つの基準で技術選定をしています。Syncraft及びCortusの設備はこの基準を全て満たしています。
- バークや枝などを含むウッドチップを燃料として使うこと。
林業の観点からは無駄なく木を使い尽くすことが重要です。燃料コスト削減の観点からはペレット化などの加工を行わないことが重要です。つまり、バークや枝などを含むウッドチップを燃料として使うことは、林業者及びエネルギー事業者の双方にとってプラスに働くサステイナブルな仕組みだと考えます。 - 乾燥・熱分解・ガス化を分離したマルチ・ステージのガス化設備であること。
これまでのガス化設備は一筒のなかで乾燥・熱分解・ガス化を行う手法が主流でした。より高いかつ安定したパフォーマンスを実現するには、乾燥・熱分解・ガス化の各ステージを最適化する必要があります。そのためには、3ステージを分離独立することが合理的であり、運転時の制御も容易になります。 - 発電効率が30%のCHPシステムであること。
発電事業単体で採算ベースに乗せるためには、30%近い発電効率が必要です。また今後、分散型エネルギーシステムや設備の省エネ化の必要性が高まるなかで、電気だけでなく熱エネルギーに対する需要が拡大します。
CHPシステムの概要
機種 | CraftWerk 1200-400 |
発電出力 | 400kWel |
熱回収量(高温) | 615kWth |
熱回収量(低温+高温) | 920kWth |
熱源システム | 約95℃。高温200℃、低温80℃に分離可能 |
燃料投入量 | 267kg/h 含水率50%で年間約4,000㌧ |
燃料要件 | 3~5㎝、細粒物やバークの混入可 |
ガスエンジン | 独2G社製 |
ガス化+ガスエンジンの設置スペース | 約175㎡ |
燃料供給スペース(1週間分) | 278㎥ |
- 400kWの設備を4セット繋げることで1,600kWまで対応
- ガスエンジンは木質バイオマス用に最適化
- 大気汚染物質等の排出量は一般的な排出基準を大きく下回る
- 騒音や悪臭の面でも低公害
- 最小構成:ガス化装置、ガスエンジン、制御装置、歩廊
- オプション:燃料乾燥機(排熱を利用)、燃料供給装置(週1回の燃料供給で運転できるウォーキングフロア式のフィーダー)、低温排熱利用機器
- ターンキー方式の設備の設置
本件に関するお問い合わせ先
広報担当
電話:03-5624-7151
メール:info@forestenergy.jp