2023年2月3日
フォレストエナジー株式会社
日本で初めてバイオ炭の品質認証European Biochar Certificateを取得
フォレストエナジー株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社⻑:沼 真吾)は、和歌山県新宮市で稼働中の木質バイオマス発電所「新宮フォレストエナジー」で発電の副産物として生産したバイオ炭につきまして、この度、スイスの国際機関Carbon Standard*1より、日本で初めてEuropean Biochar Certificate (EBC) Basic Materials*2の品質認証を受けました。
認証バッジ
バイオ炭を土壌改良材として活用する事で、バイオ炭に含まれる難分解性の炭素を長期間固定する事によるCO2削減効果(カーボンマイナス)は、国のJ―クレジット制度の対象として認められています。2022年6月30日、和歌山県古座川町で植物性自然栽培という農法で食用バラを生産する株式会社あがらとの農地に施用した上述のバイオ炭は、「バイオ炭の農地施用」方法論に基づく国内初の J―クレジットに認定されました。
フォレストエナジーは、新たな炭素貯留手段としてバイオ炭の土木や建築利用に着目しています。例えば、道路の舗装に使うアスファルト合材の国内生産量は年4,000万程度であり、その際に排出されるCO2は年100万トンと推定されています。アスファルトやコンクリートなど社会インフラの整備に欠かせない素材のCO2削減は、脱炭素化社会の実現に大きな効果があります。そこでバイオ炭を配合した環境にやさしい建設資材を、それぞれ「グリーンアスファルト」、「グリーンコンクリート」と称し、パートナー企業各社とともに2023年中の商用化を目指して開発に取組んでおります。現在、グリーンアスファルトやコンクリートのCO2削減効果をクレジット化する仕組みは国内にはなく、EBC認証を取得したバイオ炭を使うことで、Carbonfuture*3等の欧州市場を通じたクレジット化が可能になります。
グリーンアスファルトの試作品(パートナー企業から提供)
新宮フォレストエナジーのバイオ炭は、紀南地域の未利用木材を原料とし、ガス化発電の副産物として生産されます。当社が提携するオーストリアSyncraft Engineering GmbH(Syncraft)製ガス化設備から産出されるバイオ炭の炭素含有率はドライベースで約90%あり、新宮での年間生産量は約1,500トンになります。欧州で稼働しているSyncraftの設備を使用した発電所から生産されるバイオ炭は、既に多くがEBCの認証を取得しており、土壌改良材やグリーンアスファルトの利用によって削減したCO2は、Carbonfutureを通じてカーボンクレジット化されています。
新宮フォレストエナジーのバイオ炭
フォレストエナジーは、設立以来、木質バイオマス発電所の運営を通じて、グリーンな地域循環型社会の構築に貢献してまいりました。地域の未利用木材は地域の電気と熱となり、その副産物であるバイオ炭はグリーンアスファルト・コンクリートとして地域の基盤インフラを支えるとともにCO2の固定化というさらなる価値を創造し、その価値はカーボンクレジットの売買を通じて地域経済に還元されることになります。そうすることで地域循環型のエコシステムはさらに強化されると考えています。
*1 Carbon Standard:スイス発のバイオ炭品質認証機関(企業)
https://www.carbon-standards.com/en/home
*2 EBC Basic Materials:EBC(European Biochar Certificate)によるバイオ炭規格の1つ
https://www.european-biochar.org/en
*3 Carbonfuture:ドイツ発のカーボンクレジットのボランタリーマーケット
https://www.carbonfuture.earth/
本件に関するお問い合わせ先
広報担当 電話:03-5624-7151
メール:info@forestenergy.jp
ホームページ:https://forestenergy.jp