自然エネルギーと森林

フォレストエナジーは、2014年、日本国内のバイオマス資源を燃料とする木質バイオマス発電所を開発・運営する会社として誕生しました。これまで秋田県秋田市、和歌山県新宮市、宮崎県児湯郡川南町の3カ所で木質バイオマス発電事業を実現しており、全国各地で新たな発電所の準備を進めています。

我々が木をエネルギー利用する木質バイオマス発電の普及を進めるのは、日本の自然環境と非常に相性のよい自然エネルギーだからです。日本の国土の約67%は森林であり、森林蓄積は年々増加中です。良い森林を育てるためには木材利用を通じて森林を定期的に手入れする必要があります。木質バイオマス発電は森林の手入れ時に出てくる間伐材を継続的に購入することで、サステイナブルな森林管理の原動力になります。

森林には多面的な機能があります。森林から取れる良質木材は建材や家具になりますし、森林は素晴らしい景観になるだけでなく、ハイキングやスキーなどのレクリエーションの場を提供してくれます。こういった目に見える機能以外にも、土壌の浸食や流出を防いだり、雨水をスポンジのように吸収して一時的に蓄えたり、フィルターのように水質を浄化するなど、森林は多くの人の生活の質に関わっています。森林を綺麗にすることは快適・楽しい・安全・安心な生活に直結します。

身近な自然資源をエネルギーとして使うことで、良い森林を育てつつ自然エネルギー利用を高めることができる。この、地域経済と環境へのポジティブなインパクトの手触り感が、私たちフォレストエナジーが木質バイオマス発電事業を自ら開発して運営する最大のモチベーションです。これからも、同じ想いを持つ地域の方々と共に、自然エネルギーの普及と美しい森林の両立に取り組んでいきます。

分散電源としての木質バイオマス発電

分散型電源の特性の一つは自立していることなので、木質バイオマスを燃料にする場合は地産地消型、つまり地元の木質資源を使っていることがポイントになります。木材の生産地と消費地がなるべく近いことが望ましく、10~30km圏内から燃料となる木材を収集する場合、発電所の規模は小さくなります。発電所はスケールメリットが効きやすい事業なので、発電所の規模を小さくすると従来の「ボイラー」技術では発電効率が低く、対応は難しくなります。

小規模でも高い発電効率を実現すること、木の持つエネルギーを最大限有効活用することを考えると、「ガス化」技術を使うことになります。小規模木質バイオマス・エネルギー事業の先進モデルとされるドイツをはじめとするEU諸国では、この「ガス化」技術を使ったコジェネが多く稼働しています。

当社では3つのガス化設備を扱っております:1台40kWのVolter(フィンランド製)、500kWのSyncraft(オーストリア製)及び2,000kWのCortus(スウェーデン製)。全てウッドチップを燃料とするシステムであり、これらを組み合わせて導入することで、木を中心とする「地域資源循環型エネルギーシステム」を構築することができます。

フォレストエナジーの地域資源循環型エネルギーシステム

2017年に経済産業省並びに農林水産省の連名による「地域内エコシステム」が公表され、地域経済振興・分散電源の拡大・熱利用の促進を図る活動が本格化しました。しかしながら、多くの地域で適用できる汎用的な事業モデルはまだ確立されていません。その背景には、地域で熱を使う配管網がないことや適格な木質燃料を安定的に手に入る商流がないなど、ほとんどの地域で事業インフラが整っていないことが大きく影響しています。これら課題を解決するため、当社は規模の異なるコージェネレーション(熱電併給、コジェネ)設備を組み合わせ、地域全体で連携する事業モデルを提唱します。

解決策①
個別の熱需要地ごとに超小型の衛星コジェネ設備を設置することで、熱配管網を必要としないシステムを用意

解決策②
ウッドチップの乾燥工程を一カ所に集約化することで、衛星コジェネ設備は乾燥機が不要となり設備費・運転費を削減。集約した乾燥工程の熱源には、中核コジェネ設備の熱を利用することで中核コジェネ設備の熱利用率を向上

解決策③
木の燃料化における無駄の排除。中核コジェネ設備は樹皮(バーク)を含む一本の木を丸ごと無駄なく燃料として使用できる。衛星・中核の両設備ともウッドチップを使用することで、加工工程を破砕だけにスリム化

解決策④
燃料としてのウッドチップには規格があり、衛星コジェネ設備は高規格、中核コジェネは低規格のウッドチップで稼働する。2つの設備を地域で組み合わせて使用することで、ウッドチップを無駄なく燃料として使用する